しみ・そばかす治療
シミ・そばかす・肝斑治療について
特性が異なる多数のレーザー・光治療器を使用して治療を行います。
一つのレーザー機器で、全てのシミを改善できるわけではありません。
シミの種類や性質・濃さなどにより、治療経験豊富な医師が最適な治療方法を見極めご提案いたします。
一口にシミといっても、実際は、アザや肝斑など種類が多数あるため、それを見極める目を持つ医師と適切な治療方法を選択することが重要です。
レーザーや光治療器の選択を誤ると、効果がないどころか逆にシミを濃くしてしまう場合もあります。
日焼けや加齢によるもの、女性ホルモンの影響によるものなど、いろいろな要素が混ざっている場合が多い疾患です。
光治療(IPL)とレーザー治療の違い
光治療(IPL)は複数の波長の光を広範囲に照射して、皮膚の浅い層にあるメラニンの周りの細胞にダメージを与え、ターンオーバーを促す治療です。
シミだけでなく赤ら顔、ニキビ跡など広範囲の肌悩みに対応できます。
レーザー治療は単一の強力な波長でメラニンを直接熱で破壊します。
ピンポイントのシミに高い効果を発揮し、肌の深層部にある濃いシミの除去が期待できるため、光治療では除去しきれなかったシミにも対応することが可能です。
治療に使用する機器の違い
|
Qスイッチ ヤグレーザーQX
Qsw ND:YAG |
Qスイッチ ルビーレーザー
Qsw Ruby |
Qスイッチ アレキサンドライトレーザー
Qsw Alexandrite |
IPL
(フォトフェイシャル) |
| 波長(nm) |
532/1064
(2波長) |
694 |
755 |
broadband |
| パルス幅 |
6ns(最大出力時) |
20ns |
50-100ns |
ミリ秒単位 |
| 適応 |
表在性~深在性・色素斑・あざ・刺青・レーザートーニング
(適応が広い) |
表在性~深在性・色素斑・あざ・刺青 |
表在性~深在性・色素斑・あざ・刺青 |
表在性・広範囲の色調改善・美肌効果 |
| 回数 |
1回 (大きさや症状によって複数回必要)
レーザートーニングは、4~6回を1~2週間に一回が目安 |
1回 (大きさや症状によって複数回必要) |
1回 (大きさや症状によって複数回必要) |
複数回 (4回~6回/1クール、4週間に一回が目安) |
| 痛み |
あり (麻酔クリームを塗布します)
レーザートーニングは、痛み少ない |
あり (麻酔クリームを塗布します) |
あり (麻酔クリームを塗布します) |
少ない (輪ゴムで軽くはじいた程度の痛み) |
| ダウンタイム |
あり: 痂疲形成(1~2週間)
レーザートーニングは、ダウンタイムほとんどなし |
あり: 痂疲形成(1~2週間) |
あり: 痂疲形成(1~2週間) |
ほとんどなし |
シミについて
お肌の色を決定するのは、メラニンという色素です。
シミは、皮膚にメラニン色素が過剰に蓄積してできる茶色い斑点のことです。
このメラニンは、肌細胞を紫外線などから守る働きがありますが、作られすぎると、シミやそばかすの原因になります。
肌が紫外線などにより刺激を受けると、表皮の最下部にあるメラノサイト(メラニン産生細胞)のチロシンというアミノ酸が、ドーバキノンという物質へと変化します。
さらに、ドーバキノンが黒色メラニンへと変化し、この黒色メラニンが過剰に作られ続けた部分が表面に現れることで、シミやそばかすになります。
通常であれば、このメラニンは皮膚のターンオーバー(皮膚が生まれ変わる代謝のサイクル)によって剥がれ落ちていきますが、老化や不規則な生活によってターンオーバーのサイクルが延びてしまうと、肌の中に蓄積されてしまいます。
また、シミとそばかすは、どちらもメラニン色素の増加が原因で発症しますが、シミは、主に30歳以降の女性に多く、形や大きさもさまざまです。
女性ホルモンが関係するとの説もあります。
それに対してそばかすは、遺伝的要素が強いもので、顔の真ん中や手の甲、腕、肩、背中などに多く、直径数ミリ程度の小さなものがほとんどです。
メラノサイト
メラノサイトは、皮膚の表皮の下部(基底層)に存在するメラニンを生成する色素細胞です。
肌や髪の色の元となるメラニンを作り、紫外線から肌を守る重要な役割を担っています。
紫外線などによって過剰な刺激を受けると、メラニンが過剰に生成され、シミやくすみの原因になることがあります。
表皮メラニンと真皮メラニンの違い
メラニンは、肌の色を決める重要な要素であり、紫外線や炎症から肌を守る働きをしています。
しかし、メラニンの過剰な沈着は、シミやくすみの原因となります。
メラニンがどの層に存在するかによって治療法も変わります。
表皮メラニン
表皮メラニン(浅い層にあるメラニン)は、お肌の表皮(基底層)に発生します。肌のターンオーバー(約28日周期)とともに排出されやすいため、比較的治療しやすいです。
真皮メラニン
真皮メラニン(深い層にあるメラニン)は、お肌の真皮(表皮より深い層)に発生します。真皮メラニンは、自然に排出されにくく、表皮の治療法では効果が出にくいことが多いです。
|
表皮メラニン |
真皮メラニン |
| 色 |
茶色、黒色 |
青黒、灰色 |
| 発生場所 |
肌の表皮(基底層) |
真皮(表皮より深い層) |
| 原因 |
紫外線、摩擦、炎症(ニキビ痕、アトピーなど)、ホルモンバランスの変化 |
慢性的な炎症、強い紫外線ダメージ、加齢による代謝低下 |
| 主な症状 |
■ 日焼けによるシミ(老人性色素斑)
■ 肝斑
■ 炎症後色素沈着(にきび痕、傷跡のシミ
■ そばかす
|
■ ADM(後天性真皮メラノサイトーシス):頬や額の左右対称にできる青黒いシミ
■ 遅発性両側性太田母斑様色素斑(Hori’s Nevus):アジア人に多い真皮の深い部分に沈着したシミ
■ 慢性的な炎症後色素沈着:にきびや傷跡が長期間残り、茶色や灰色がかったシミ |
| 治療 |
比較的治療しやすい |
治療に時間がかかる |
シミの主な種類
シミには大きく分けて6つの種類があり、それぞれ原因や性質が異なります。
レーザー治療が効果的なシミもあれば、レーザーを当てることで逆に症状が悪化してしまうシミもあります。
治療を開始する前にどのようなシミなのかを正確に診断することはとても大切です。
老人性色素斑(日光性黒子)
加齢と紫外線の影響でできる、最も一般的なシミです。顔だけでなく手や腕、背中などに現れる円形や楕円形のシミ。
肝斑
主に30代〜50代の女性に多く、ホルモンバランスの乱れや紫外線、摩擦などが原因とされます。
左右対称に、頬や額、口の周りなどに広がるもやもやとした薄茶色のシミ。
そばかす(雀卵斑)
幼い頃から見られ、遺伝的な要因も強い小さな茶色の斑点です。
鼻や頬を中心にできる点状のシミで、思春期に目立ちやすく、紫外線を浴びることで濃くなります。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
シミが皮膚の深い真皮層にできるもので、左右対称に現れるグレーや褐色の点状のシミ。
思春期前後に発症し、加齢とともに濃くなる傾向があります。
炎症後色素沈着(PIH)
ニキビ痕や傷などの炎症が治った後に残るシミ。
炎症が起きた場所の周りに見られ、時間とともに薄くなることもありますが、個人差があります。
脂漏性角化症(イボ)
「老人性イボ」とも呼ばれ、中年以降にできる、イボ状に隆起したシミです。褐色から黒色のシミ。