メスを使わない、額や眉間、目尻などの表情ジワに注射によるシワ取り。
ボトックスとは
ボトックスを表情筋に注入することで、シワ自体を作らないようにする、アメリカを始め世界約80ヵ国で現在、美容施術の中でもっとも数多く行なわれている治療のひとつで、安全かつ簡便なシワ取り法です。
ボトックスは、もともと米アラガン社の商品名で、ボツリヌス菌から抽出されるたんぱく質の一種です。ボツリヌス菌とは重症の食中毒を引き起こす原因にあたる「ボツリヌストキシン」という毒素を発生します。
ボトックスは、ボツリヌス菌A毒素を製剤化し、アレルギーの心配のない優れた製剤で、筋肉の動きを弱める働きがあります。これは、筋肉の収縮時に産出されるアセルコリンという物質の動きを抑止する働きで、筋肉の動きを抑制します。この作用を応用することで、シワを作る筋肉の過剰な収縮を弱め、シワをなくしていくことができます。
しわは加齢にともなって自然にできますが、顔のしわの多くは、微笑む、笑う、顔をしかめるなどの表情の変化によって筋肉を繰り返し動かすことによってできていきます。
ただ、ボトックスは注入してから半年程度で吸収されてしまうことから、効果を持続させるためには、定期的な注入が必要です。
A型ボツリヌス毒素の安全性について
A型ボツリヌス毒素による食中毒は、30,000単位以上で起こると言われています。
ボトックス注入による治療では、1回に5~100単位程度の毒素注入による治療ですので、中毒を起こす心配はありません。
1989年にFDA(米国食品医薬品局)で承認され、現在に至って米国、イギリス、ドイツ、フランスをはじめ世界80ヵ国以上で眉間の表情じわを始めとするシワの治療への適応が承認され、ボツリヌス菌毒素による治療薬全体に対する名前として広く美容医療・アンチエイジングに使用されています。
日本でも眼瞼痙攣の治療薬として、1997年から厚生労働省の認可を受けており、その安全性は確立されています。